10月29日(土)13時から宗教倫理学会第23回学術大会公開講演会が開催されます
参加を希望される方は下記からZoomウェビナーでの事前登録をお願いします。
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_wqeKgLHyQfqfp0SIGbReEw
(ご登録後、ウェビナー参加に関する確認メールが届きます。)
【公開講演(午後の部)】
司会:氣多 雅子(京都大学名誉教授)
13:00~14:00
講 師:鎌田東二(京都大学名誉教授)
講 題:神道における場所と「世間」
14:00~15:00レスポンス(2名)・質疑応答
宮本要太郎(関西大学教授)・鬼頭葉子(同志社大学准教授)
【要旨】
神道における場所と「世間」」(鎌田東二)
「世間」とは、「胞衣(えな)」のような被膜である、というのが、生命論的に見た世間観ではないかと考える。
このような感覚や思考は、けっこう根が深いものがあると思う。それは、すでに『古事記』の国生み神話に端的に現れていると考えられるからだ。
イザナミノミコトは「大八島」(日本列島の呼名)と呼ばれる国土を出産する。とすれば、国土は胎児としてイザナミの胎内にあったということになる。このような胞衣的胞摂の中にあるという神話的思考が日本人の世間観の根底にあるのではないだろうか?
顕(あらわ)と幽(かくり)、場の宗教としての神道と神社。記紀神話や延喜式祝詞の「草木言語(くさきこととひ)」から天台本覚思想の「草木国土悉皆成仏」までの被膜連鎖。「生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける」と『古今和歌集』仮名序で歌の哲学を展開した紀貫之の歌論。
それらに貫通する胞衣的世間観のありようの意味とその根深さを考察してみたい。
*参加費無料・事前登録制(定員500名)