学会の活動

学術大会

第18回学術大会

「宗教倫理とは何か」

日時
2017年10月7日
場所
龍谷大学 大宮学舎 清和館3階ホール

プログラム

8:30 受付開始
9:00

開会

 

研究発表
司会:高田信良(龍谷大学)

9:00~9:30

奥田桂寛(龍谷大学)

現代真宗伝道における法的課題

9:30~10:00

川本佳苗(龍谷大学)

「仏教倫理」と道徳的善悪:自殺は殺生であるか?

10:00~10:30

侯 雨萌(鹿児島国際大学)

荀子の政治思想に関する一考察

 

10:30~10:45 休憩

 

司会:小田淑子(関西大学)

10:45~11:15

林 研(大阪保健医療大学)

ジェイムズの宗教的プラグマティズムと道徳

11:15~11:45

山本栄美子 (東京大学)

和辻哲郎と宗教について

11:45~12:15

柱本摩耶(同志社大学)

アイルランドにおける人工妊娠中絶問題に対する宗教倫理について

 

12:15~13:15

昼食

 

司会:杉岡孝紀(龍谷大学)

13:15~13:45

打本未来(愛染橋病院)

チャプレンによる死児への数珠の贈呈によるグリーフケアの一例

13:45~14:15

小原克博(同志社大学)

持続可能な社会と食の倫理

 

14:15~14:30 休憩

 

公開講演

司会:井上善幸(龍谷大学)

14:30~15:30

釈 徹宗(相愛大学 教授)

「宗教・社会・倫理の動的関係」

15:30~16:30

レスポンス・小原克博(同志社大学)

質疑応答

 

16:30~16:35 休憩

 

16:35~16:45 写真撮影

 

16:50~17:45 会員総会
18:00~20:00 懇親会(龍谷大学 大宮学舎 清和館2階[生協])

講演要旨

「宗教・社会・倫理の動的関係」

 

 今回の学術大会における共通課題は「宗教倫理とは何か」である。

「宗教倫理」の問題にアプローチする場合、大別すれば三つほど考察の道筋があると思う。ひとつは宗教が社会に対して求める倫理についての考察である。宗教は特有の規範や価値を社会に提示してきた。同時に、社会における倫理の根拠となってきた。もちろん、宗教が求める倫理的態度と、世俗社会の倫理とがぴたりと一致するわけではない。なにしろ宗教は時に性や食や睡眠といった生理的な領域にまで価値を持ち込む。このあたりのズレは宗教倫理を考えるうえでの論点となる。

二つ目は宗教間における倫理である。各宗教はそれぞれに善悪の理念や行為の規範を練り上げてきた。それを体系や教義に位置づけてきた。このような宗教体系内倫理は、各宗教が共有できるものもあれば、相入れ難いものもある。特有の倫理は自宗教範囲内に限定されるべきなのか、他宗教とも折り合っていくべきなのか、互いに尊重していくためにどうすればよいのか。これらも宗教倫理の大きなテーマである。 

そして三つ目は、社会が宗教に対して求める倫理についての視座である。これは社会が構築してきた理念(たとえばヒューマニズムやフェミニズム)などから、宗教に対しての要請されるものだ。宗教は社会とは別の価値体系を内包している。社会の枠からはみ出る部分がある。そのため社会は、どれほど奇異であっても、愚鈍に見えても、その部分を尊重せねばならない。しかし、反社会的行為に関しては、社会は宗教に対して敢然と立ち向かう。宗教にも社会内共存を求める。宗教は社会からの要請にどう応答していくのか。

今回はこれらの三つの道筋をふまえながら、宗教・社会・倫理の動的なせめぎ合いについて考察したいと思う。また、「倫理的な態度の基盤となるものは何か」についても言及したい。