学会の活動

学術大会

第16回学術大会

「現代社会における生命倫理と宗教」 

日時
2015年10月3日(土)
場所
キャンパスプラザ京都

プログラム

9:10 受付開始
9:30 開会

 

【午前】

研究発表 於:第1会議室

9:30~10:00

クリアーヌの宗教研究と死後生の問題

奥山史亮(日本学術振興会特別研究員)

司会:脇坂真弥(大谷大学)

10:00~10:30

安楽死の法と仏教の倫理―小野清一郎の安楽死論と仏教的応報刑論

寿台 順誠(早稲田大学人間総合研究センター)

司会:脇坂真弥(大谷大学)

10:30~11:00

カトリックとユダヤ教との対話に見る悔恨の倫理

木鎌耕一郎(八戸学院大学人間健康学部教授)

司会:室寺義仁(滋賀医科大学)

11:00~11:30

宗教と共同体-西洋哲学史から見た宗教倫理学

山口隆介(聖泉大学人間学部講師)

司会:室寺義仁(滋賀医科大学)

11:30~12:00

宇宙開発と宗教との関わりから読み解く倫理

石崎恵子(宇宙航空研究開発機構)

司会:小田淑子(関西大学)

12:00~12:30

wise self-interestの仏教経済倫理試論―選択の合理性をめぐって

石崎恵子(宇宙航空研究開発機構)

司会:小田淑子(関西大学)

12:30~13:00

「健康」-道元の存在論からの一批判

土田友章(早稲田大学人間科学学術院)

司会:小田淑子(関西大学)

 

* 昼休み *

昼食は各自お取りください

 

【午後】

公開講演・シンポジウム 於:第1会議室

14:00~15:00

公開講演(要旨下)

「西洋の生命倫理は日本人の死生観に合うのか?」

カール ベッカー(京都大学こころの未来研究センター教授)

15:00~15:10 <休憩>
15:10~16:40

シンポジウム

パネリスト:
C.ベッカー(京都大学)
小原 克博(同志社大学)
宮本要太郎(関西大学)
司会:高田 信良(龍谷大学)

16:45~16:55 写真撮影

 

17:00-17:50 会員総会
18:00-20:00 懇親会 於:ラ・カフェ・ケニア(キャンパスプラザ京都1F)

 

 

講演要旨

「西洋の生命倫理は日本人の死生観に合うのか?」

 「西洋の生命倫理」や「日本人の死生観」は一概に語れるものではないので、本発表ではそれぞれの傾向や一般的な言説について語ることにならざるをえない。とはいえ、宗教的・文化的な違いについて多少論じることは無意味ではなかろう。なお、生命倫理と言う場合は、棚次正和先生・鎌田東二先生等が考えるスピリチュアル(霊性的)な次元のものではなく、現世界の物理的な行動に関する社会的規範を意味するのである。従って、本発表では、霊性的本質からではなく、あくまでも文化的心理や社会行動論という意味の観点から「宗教」を論じることに限定したい。

 まず、広義の「宗教」と、生命倫理におけるその歴史的役割を紹介する。次に、アメリカのメディアでの言説や、ビーシャン等による「生命倫理4原則」を事例として取り上げ、日本的な見地からその盲点を批評したい。

 引き続き、日本の地理的条件から生まれた「日本人の死生観」の事例を取り上げ、検討したい。

 最後に、上記の批評や死生観を糸口として、日本における生命倫理に関しても示唆的に言及し、宗教学者や倫理学者の役割についても一緒に考えて見たいと想う。