講演会チラシ
宗教はこれからの社会において、どのような「はたらき」を果たしうるだろうか。
これまでの社会の中で、多くの宗教が人びとを性別をもとに不平等に配置する「ジェンダー秩序」の形成と維持に加担してきたことは否定できない。他方で、宗教が既存のジェンダー秩序を含めた権力関係を伴う秩序を相対化する見方を提供し、虐げられる立場に置かれた人びとに対して希望を提供してきた側面もある。
そこで、今回は家族のあり方と宗教とのかかわりの視点から、宗教の担いうる「はたらき」について問うてみたい。というのも、近代国家のジェンダー秩序は性別役割分業を前提とする家族を基礎単位として形成されているからである。具体的には、親が所属する教団に選択の余地なく巻き込まれる子どもたち(2世)や、子育てなど「ケア」の担い手が置かれている状況における宗教の「はたらき」を確認したい。